In The Rain
そう、まずは……。


とりあえず家か……。


ヨウコに電話だ。


まずは謝罪、昨日の経緯、言い訳、そして今から会社で書類作成するから帰りが遅くなる事を告げた。


本当の事は会社の飲み会だった事と後輩が酔って絡んだ事だけで、八割以上が嘘だ。


勿論、後輩はキョウコだが、名前は出していない。


そして色んな意味で絡まれたのも嘘ではない。



適度にホントを混ぜておけば、信憑性があり、もしもの時の対応もしやすい。


何より嘘の後ろめたさと動揺が少なくてすむ。



そして、ミクにメール。
遅くなった謝罪。


今から二時間後には時間が空く事。


そしてまだ間に合うのか？の問いだった。


すぐに返信があった。OKの返事に小さく拳をにぎった。


ボクはすぐに待ち合わせ場所を返信した。



オレは会社へ行き、別に今じゃなくても良い書類を作成した。


昨日部下から提出された書類と２つをフロッピーに入れておく。


言い訳とアリバイの為だ。


書類作成と部下の面倒を見ていた。

提出まで一緒にいた。


時間の埋め合わせに能力のわからない他人を入れれば、時間計算しにくいはずだ。


まっ、ヨウコには旦那に対する興味が薄いのか、オレに問いただす事もしないだろう。
< 21 / 102 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop