In The Rain

17時を過ぎた頃…。
家路へと向かう事にした。


お互い家庭があれば、こんなものだ。







「あっ、ちょっと停めて。海…。」

「あぁ。ちょっと見たくなって…。」


車を停めた。


だれもいない海岸沿いの道からみる海は夕陽が綺麗だった。


ボクの好きな場所を見せたくて、ワザと通ってみたのだ。






「ねぇ、昨日はどうしたの?車無かったけど…。徹夜?じゃないみたいだし…。ん〜?」


いきなりキタ。


可愛い表情とは裏腹なキツい質問である。



「あ、昨日は会社で飲み会。そのまま同僚の家でね…。」


まっ、嘘ではない。



しかし、キョウコの事は忘れて、ボクの中での嘘の出来事を昨日の出来事にしておいた。


「ウソだ〜。」


「なんで?マジっすよ。」

我ながら…、「っすよ」ってなんだ?


「ん〜〜?女じゃないの?」


ナンデ!?…おっと、慌てない。


「ははっ。そうならいいけど…。んなわけないじゃん。」


「ふ〜ん。目、見ていってごらん。」


「女なワケないよ。」


しかし、てめぇ、可愛いな、こんにゃろ〜。

向き合うとわしづかみにされそうだ。



「ん??でも、今日、キスないしな〜。」


「はははっ、何それ?」


ボクはミクを引き寄せてキスした。




「うんっ、信じますか。」

「うんっ。よろしく。」


ボクらは、もう一度キスをして、目を合わせて笑った。


ボクの不安も消えた。




帰り道で次回の約束をした。


ミクは来週の土曜日に友達と合うらしく、その後で連絡をもらう事になった。


あと、毎晩、24時30分にメールをする事にした。







家の近くのスーパーの裏でミクを下ろして、ボクは家へ向かった。


オレは頭の切り替えは忘れてなかった。
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