In The Rain
ガキみたいに、一人になるとにやけてしまうほど、次の土曜日が待ち遠しかった。

しかし、鈍いのか感心がないのか、ヨウコはオレの嘘とアリバイ工作にハマった。

後輩や部下という単語には妙な説得力があるようだ。




水曜日には、一度、キョウコの家へ行ったが、当然、夕食だけで帰った。

じらしておく為だし、何よりキョウコのオトコにはならない為にここで安売りはしない。

まっ、そこら辺のガキには出来ない事だし、他の人とは違うと思わせれは、こっちのものだ。



後から思えば、ミクの事があって、もう、どうでもよかったからかもしれない。

そのくらい、ボクの中の多くをミクが占めていたのだ。







土曜日まではホントに長く感じた。

やっと、その日がきた。


金曜日の夜に高い酒を夫婦で飲んで、機嫌をとった。


来週は子供を見る条件で、一人で飲みにでる許しを得た。




今晩は仕事のストレスと疲れを理由にして、サウナに泊まると言っておいた。




21時に傘を片手に家を出て、タクシーで街へでた。


この日、雨が朝から降り続いていた。



好きな雨の中、歩く街並みも優しく感じた。
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