In The Rain
街は、降り続く雪のせいもあって、さっきよりも冷たい顔をして、ただ通り過ぎていく。



ユキは喫茶店のテーブルの向こうで笑いながら話している。




よく見れば、ミクとは背格好など違う所が多いが、雰囲気と顔はよく似ている。



ボクらはお互いの現状を話し、改めて呑みにでも…っと、アドレスと番号を交換して店をでた。



「じゃあね、アキト……。仕事頑張って!また、連絡するよ。」


「あぁ、またな…。」


ボクは手を振りかけたが気にかかる事があった。


「ユキ……、オマエ…、結婚は?」



「……、ははっ。してないよ。なんか、仕事が楽しくて…、彼氏とか作るの忘れてた。……なんて。」



ユキは笑いながら言った。



「そっか…。ゴメンな…。また、連絡するよ。」


「うん、じゃあね。」


お互い、笑顔で手を振った。



人混みにユキの背中が紛れて行くのを見送ってボクは歩き始める。


ボクは少し足取りが軽かった。



見上げた空は寂しそうに雪をふらせていた。
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