私立帝誠学園生徒会




・・・昼寝してる人がいる



野球部が練習するグラウンドのすぐそば

緩やかな斜線になっている芝生の上、男の人はバットが球を弾く音なんて全く気にせず、頭を腕に乗せてすやすや寝息をたてている。



すごい・・・
きれいな髪ー・・・

太陽に当たってキラキラと輝く淡い榛色の髪

目を閉じてても整った顔立ちで
なんか、生きてないみたいにきれいな人




ぼーっとその人のそばにしゃがみこみ、見とれていたら




「危ねぇ!!!よけろーっ!」

突然そんな声が聞こえて上を見ると、ボールがこっちに向かって落ちてきていて

次に感じたのは強い衝撃







「いったあ・・・」

目を開くと吸い込まれそうな翡翠の瞳が目の前にあって。
私は抱き寄せられて、その人の腕の中にいるんだと理解した。




!!!!!!



「きゃぁあああ!!」



慌てて飛び退くと男の人はすごく不機嫌そうな顔で。





「うるさい」


片耳に指を突っ込み、眉間にしわを寄せて呟かれる。


「あ、ごめんなさい・・・」


そんな風に言われると
謝るしかなくなる。


でも、ボールに当たりそうになってた私を助けてくれたんだよね


「あの、ありがとうございます」



軽くその人の前で頭を下げると




「・・・・・・別に」



その人はそう言い残し、その人は立ち上がり去って行ってしまった。




あ、名前
聞いてない・・・

そう思うも時すでに遅く、もう姿は見えなくなっていた。






< 5 / 11 >

この作品をシェア

pagetop