私立帝誠学園生徒会
・・・昼寝してる人がいる
野球部が練習するグラウンドのすぐそば
緩やかな斜線になっている芝生の上、男の人はバットが球を弾く音なんて全く気にせず、頭を腕に乗せてすやすや寝息をたてている。
すごい・・・
きれいな髪ー・・・
太陽に当たってキラキラと輝く淡い榛色の髪
目を閉じてても整った顔立ちで
なんか、生きてないみたいにきれいな人
ぼーっとその人のそばにしゃがみこみ、見とれていたら
「危ねぇ!!!よけろーっ!」
突然そんな声が聞こえて上を見ると、ボールがこっちに向かって落ちてきていて
次に感じたのは強い衝撃
「いったあ・・・」
目を開くと吸い込まれそうな翡翠の瞳が目の前にあって。
私は抱き寄せられて、その人の腕の中にいるんだと理解した。
!!!!!!
「きゃぁあああ!!」
慌てて飛び退くと男の人はすごく不機嫌そうな顔で。
「うるさい」
片耳に指を突っ込み、眉間にしわを寄せて呟かれる。
「あ、ごめんなさい・・・」
そんな風に言われると
謝るしかなくなる。
でも、ボールに当たりそうになってた私を助けてくれたんだよね
「あの、ありがとうございます」
軽くその人の前で頭を下げると
「・・・・・・別に」
その人はそう言い残し、その人は立ち上がり去って行ってしまった。
あ、名前
聞いてない・・・
そう思うも時すでに遅く、もう姿は見えなくなっていた。