教室の秘密



あの時と同じように
あの旋律が聞こえる


だんだんはっきり聞こえるピアノの音







キィ−


扉を開けるとピアノ椅子に腰掛けている先生がいた


『そら』


『進路相談の時間とっくに過ぎてるんですけど』


『もぉそんな時間?ごめんごめん』



立ち上がろうとした先生の長い椅子に座った


『ここで進路相談してもいい?』


『いいけど』


まだ蕾だけど
桜がほのかに色付く



私はあの日を思い出す


先生も外を見てる


先生は今何を思うの?
誰かを愛していますか?



それはもぉあたしでは無いですか?


『そら....やり直そ』



『.......私どんどんわがままになっちゃう...ょ?』



『わがままなんかじゃないよ.....空の気持ち考えて無かった俺が悪い...居なくなって辛かった...他の奴らと楽しそうにしてる空みてたら忘れられたかなって思ったけど......俺には空が必要だった』




『先生.....』



『付き合ってください』










『はい』
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