†・οヴァンパイアο・†
5人の前『人形』が現れた。
それは、本当に人形なのかと思うくらい人にそっくりだった。
ただ、ひとつだけ違ったのが、自分の意思を持っていなかったこと。
「よくできてるのね」
璃緒が感心したように言う。
「私たちの言うこと聞いてくれるから便利なオモチャだよ」
千穏は相変わらずのようだ。
「私には、人形に見えない。まるで魂を抜かれた人みたい。」
黎が険しい顔をしながら話した。
「クスックスッ」
千穏の笑い声が響いた。
「そっくりに作ったんだか当たり前だよ。それにオモチャに魂があったらダメだよ」
その言葉を言ったとき、少し寂しそうな顔をしたが、きっと気のせいだろう。
なぜなら次にいった言葉が、
「もし人形に魂をいれて自我なんか持たれたら、言うこと聞かなくなる。」
それに、あまりにも冷たく言ったから…