終わりの空は
別れは突然だった。


いつものように学校で別れ、次の日には帰らぬ人になった。


葬儀にはクラスの皆が参列した。


「拓人…」


言い様のない気持ちだった。


脱け殻となったそれはとても無機質に感じた。


トントン


誰が背中を叩いた。


振り返るとクラスメートの西野杏菜が立っていた。


私や拓人と仲がよくていつも一緒にいることが多かった。


彼女の瞳は赤く充血していた。


「一真…」

彼女の目からはもうこぼれる涙は残っていないようだった。
「大丈夫か?」


私の問いに彼女はコクリと頷いた。
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