深淵
 死の恐怖を感じてなのか、血を吸われるのを拒んでいるのか、キョウスケにはわからなかった。                            

「いただきます」                            

 大柄の男は少年の尻の穴に物を射し込んだまま、注射器の血を口に流し込んだ。                                   

 サイコだねぇ。                            

 キョウスケはそれを傍観しつつ、激しく腰を振った。                                   

「どうですっ?!血は美味いですかぁっ?!」                           

 小柄の男はまるで麻薬でも入れているかのように、狂ったように大柄の男に訊ねた。
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