no title
早苗ではなく陽平だった。


「どーしたの?」


「ん、あぁこれ。
オカンが持って行けって」


そう言う陽平の手には、美味しそうな肉じゃがが入ったお皿がある。


「わぁ肉じゃが!」


「真琴ちゃん家、共働きで大変やからってー。」


アタシの家はお父さんがサラリーマンでお母さんが看護士。


二人とも夜遅くなることがよくあり、一人で食事をすることも多かった。


「今日二人とも遅くなるって言ってから助かるっ。
おばさんにお礼言っといて。」


そう言うと陽平のうしろに早苗の姿が見えた。


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