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「で、好きな人は?」


まだその質問は諦めていないようで、陽平はまた聞いてきた。


「…いないけど。」


「気になってる人も?」


「…いない。」


嘘だ。
本当は2、3ヶ月前から同じクラスの立川くんが気になっていた。


「あっ!その顔は嘘やろ〜」


とニヤニヤしながら陽平が聞いてきた。


しつこい、内心そう思いながらも話題を変えるため今度はアタシが訪ねた。


「南原くんは?」


「ん?おれ?」


といかにもその質問待ってましたと言わんばかりに嬉しそうな顔をした。


「おるよ。」


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