◆太陽のごとくあいつは◆
『----友枝・足尾ペア』
友枝が前に出て、麻美も涙を拭いながら台に上った。
『おめでとう』
と、またメダルが与えられていく。
そう、最終戦、第3セットまで戦った彼らは…
3点差で美夏たちのペアが勝利し、
結果2位に終わったのだった。
『そして、金賞1位、優勝者は…
菅野・雛森ペア』
晶螺と美夏は得意気に前に出、台に上がった。
コーチが来て、二人の頭を撫でた。
『やるじゃん、二人ともぉ!
ほとんど即席だったのに!!』
二人の首に、金色のメダルがかけられた。
一斉に拍手の音が増す。
美夏と晶螺は、裕香・美奈ペアと握手し、友枝・麻美ペアとも握手をした。
その時、すでに美夏の心には迷いがなく、友枝の手をギュっと握って、
にこりと笑い、
『おめでとうございます!』
ということができた。
そんな美夏を見て友枝は、フっと笑みを見せ、
『ありがとう。そちらこそ、優勝おめでとう』
二人の手は離れた。
まるで、これまでの二人の日々に終止符を打つように、新しく"良いライバル"として迎えるように。