◆太陽のごとくあいつは◆
『さぁ~て、勝者2人におくられるプライズは!
聞いての通り、焼肉屋のタダ券だよー!!』
コーチの弾むような声とともに、『おぉ~!!』『い~な~』と、観衆が騒いだ。
『美夏ー!!
ウチらの手助けあっての優勝の座だかんねー!!』
『そーだッ!!
一緒に連れてけ、焼肉屋ぁ!』
裕香と美奈が美夏たちのほうへ突進してきた。
『きゃぁ~、ゎ、ゎかったょぉ』
そんな美夏を見て、晶螺は微笑ましく思った。
表彰式後、麻美は友枝を空港まで送りに来ていた。
『ぁ~ぁ…優勝できなかったって言ったら…パパとママがっかりするだろーなぁ』
と、沈みきっている麻美に、友枝は至極冷静に答えた。
『君にはまだまだ先があるよ。』
『先生、ほんとにこのままアメリカいっちゃうのぉ?』
『ぁぁ。これで君のご両親の援助はご破算になったけどね。
オレは…手遅れにならないうちに、実力本位の場所でまた頑張ってみるよ。』