◆太陽のごとくあいつは◆



そう言うと、友枝はシャツの胸ポケットから航空券を出し、ピリピリとゆっくり二つに破った。




『…!? 先生、それ、もう1枚の航空券…誰の??』




麻美が驚いた顔をして尋ねる。


友枝はサングラスをかけて、答えた。




『高みを掴んだ…罪な重愛主義者のだょ』



『…??』





時間が来て、ゲートが開いた。



友枝は麻美に別れを告げ、航空機に乗り込んでいった。






さよなら、雛森。


オレはもう君に逢っちゃいけない。


君はオレに逢っちゃいけない。





そして、これからオレは…



君の信じた道で、同じ夢を目指すことにするよ。




もし次逢う事になった時には多分…


君は今の雛森でなく、オレも今のオレでない。

互いに選手として、コートに立つことになるだろう…






そんな友枝の想いをも乗せ、航空機は離陸した。






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