◆太陽のごとくあいつは◆



電車を降りて、家に着いた。




『ただぃまぁ』


『おじゃましまぁす』





疲れきった二人は重たい荷物を玄関において、ソファーにぐったりとなった。


すごく距離が近くて、美夏はドキドキしているのに、晶螺は疲れていてなんともない感じだった。





10分後くらいして、美夏の父親が帰ってきた。



久しぶりに晶螺を見て、



『おぉ~っ!!!晶螺くんかぁ、わからんかったよぉ』




と言って、彼の肩をポンポンと叩いて喜んだ。






4人での食事の後、美夏の父と晶螺はオセロをして盛り上がっている。


が、美夏はそれを見てため息をつきながら一人ダイニングテーブルに座っていた。




『はぁぁ~』



後片付けを終えた母がそんな美夏に気づき、



『まぁまぁため息なんかついちゃって、どーしたの?』





言おうか言うまいか美夏は迷ったが、『恋愛経験は豊富なんだから♪』と言っていた母を信じて、相談していることにした。





『あたし…さ。

好きな人、できちゃったんだ…』




って言っただけなのに、母は、


『告白すればいいじゃない。』



なんて言うものだから、




『なっ、もっと複雑なの!』



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