◆太陽のごとくあいつは◆



『でも、ね…その時、あたしは他の人が好きで…


ちょっと拒んじゃってたり、とか、あって…』




『で、その人とは別れたわけ?

その時恋愛してた彼とは。』




『…ぅん。まぁ』







『で、今の彼のこと気になり始めたら…』




『…あんまり、つか、全然手出してこなくなって…』





『………待った。美夏、その彼の年齢を教えなさい。』





『…ぇ、なんで?』




母の声のトーンが急に真剣になったので、美夏は驚いて伏せていた顔を上げた。




『教えなさい。』




『………一つ、下。17歳。』





はぁ~っと、母はため息をついて、椅子の背にもたれた。




『???』


美夏が何だかわからない、といった目で母を見ると、母は立ち上がって、向かい側の美夏の椅子まで行き、耳でそっと囁いた。




『その彼ってさぁ…違ったらごめんだけど


…晶螺ちゃんのこと…----!?』






図星だったせいか、美夏の肩が跳ねて、


『…ぇ゛。』


と言う声が漏れた。




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