◆太陽のごとくあいつは◆



はぁ~、どーしよ…言うべきだょねぇ、やっぱ…




すると、脱衣場に人影が。


お母さんかな??

でもお母さん黒髪だし。


ってことはお父さん??




その人影は服を脱いでいるようだ。




ん…!?

お父さんはあんなに体引き締まってないだろ!!


ってことは…あーっ!!!!!!




気づいたときには遅くて、浴室のドアが開かれていた。



そこに立っていたのは、腰にタオルを巻いた晶螺だった。






『っ……』




叫ぼうとしたけど、声裏返ったらどうしよう、とか気になって、結局声が出なかった。




晶螺は、湯気で気づいていないのだろう、普通にシャワーのところまで来て、頭を洗い始めた。






美夏はただ声を殺していた。


逆に、どこで気づいてもらおうかわからなくなってしまった。


というか、最初に気づいてほしかった。




晶螺がシャンプーをつけて、頭をワシャワシャしている。


彼は急に小声で何かをつぶやいた。



『ぁっ……目に入った…』




泣きそうで、震えた声で…なんだか子供の頃一緒にお風呂に入った時を思い出した。

そういえば、この人は前から鼻や耳に水が入ることや、目にシャンプーやリンスが入ることがいやで、ゴーグルをして入っていた。




一人でパニクっている晶螺を微笑ましく眺めていた。





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