◆太陽のごとくあいつは◆
『……寝てる、よね?』
誰にともなくそう言った美夏は、
ゆっくりと自分のベッドを降り、晶螺が眠るベッドに近づいた。
『ぅ、わ…綺麗…』
よく見れば、顎もスっとしていて、唇も薄く、まつげも長い…
ずっと昔から一緒で、顔を間近で見るのなんて慣れてるはずなのに。
無意識のうちに息を殺すようにしている美夏。
美夏の目はいつの間にか晶螺の閉ざされた瞳に釘付け。
だんだん近づく自分の顔に美夏は気づいていなかった。
だが、次の瞬間…
パチっ。
『ひゃう…??』
気持ちよさそうに眠っていたはずの晶螺の瞼が急に開いた。
美夏はとっさに顔を離した。
『…………』
『…………????』
眠気眼でただ無言で美夏を見つめる晶螺。
な、何を考えてるんだこいつ…なんか言え~!!
沈黙の中、美夏の心は必死に叫んだ。
と、思ったらすぐに晶螺の瞼は再び閉じられ、
何もなかったかのように彼はまた夢の世界へ。
どうやら寝ぼけていただけのようです。
『…………』
美夏はというと、心臓バクバクで床にペタンと座り込んでいた。