◆太陽のごとくあいつは◆



『……寝てる、よね?』



誰にともなくそう言った美夏は、

ゆっくりと自分のベッドを降り、晶螺が眠るベッドに近づいた。



『ぅ、わ…綺麗…』



よく見れば、顎もスっとしていて、唇も薄く、まつげも長い…


ずっと昔から一緒で、顔を間近で見るのなんて慣れてるはずなのに。



無意識のうちに息を殺すようにしている美夏。


美夏の目はいつの間にか晶螺の閉ざされた瞳に釘付け。


だんだん近づく自分の顔に美夏は気づいていなかった。




だが、次の瞬間…



パチっ。



『ひゃう…??』




気持ちよさそうに眠っていたはずの晶螺の瞼が急に開いた。



美夏はとっさに顔を離した。




『…………』



『…………????』


眠気眼でただ無言で美夏を見つめる晶螺。


な、何を考えてるんだこいつ…なんか言え~!!

沈黙の中、美夏の心は必死に叫んだ。




と、思ったらすぐに晶螺の瞼は再び閉じられ、

何もなかったかのように彼はまた夢の世界へ。



どうやら寝ぼけていただけのようです。



『…………』


美夏はというと、心臓バクバクで床にペタンと座り込んでいた。




< 24 / 146 >

この作品をシェア

pagetop