◆太陽のごとくあいつは◆
『ねぇ、二人とも…これどういうこと?』
美夏は口を開いた。
だが、千佳も友枝も俯いたまま何も言わない。
嫌な空気が部屋に流れていた。
『ね、ねぇ千佳…
ま、まさか違うよね?』
美夏の声が震える。
『ぁ、…キャップ、なんで千佳だけなんですか?
あたしが下手だから千佳だけヒイキですか!?
キャップ!!なんとか言ってくださ…』
『もうやめて美夏!!!』
美夏の言葉を遮ったのは千佳の消え入りそうな声だった。
『お願い…許して…美夏』
『ぇ…?』
見ると千佳は泣いていた。
走ってドアの所に立っている友枝の元まで行くと、
友枝は千佳の肩を抱くように包んだ。
『ま、まさか…だって千佳…あたしの気持ち知ってて…』
美夏にはその光景が信じられなかった。
千佳が泣きながらも口を開いた。
『私たち…付き合ってるの!!
ごめんなさい美夏…あたし、最低だょね…美夏のキャップへの気持ち…知ってたのに…』
美夏の心は崩れ落ちてしまった。
もうどうすることもできなくて、
涙さえも出てこなくて。
全身の震えを必死に抑えながら、平常を装って口を開いた。