◆太陽のごとくあいつは◆
『わかったわょ、もう寝るから静かにして!』
ムキになって背を向けたまま答えた。
晶螺の視線を痛いぐらい背中に感じるけど…
昨夜ほぼ一睡もしていない美夏はすぐに瞼を閉じた。
……。
やがて再びシーンと部屋は静まり返り、
美夏の細い寝息だけが二人の間に響いている。
『…寝たかな』
晶螺は椅子から立ち上がり、冷蔵庫からペットボトルの水を出して飲む。
『…ぅ゛…ん』
声にベッドへ振り返ると、美夏が寝返りを打っていて、美夏のあどけない寝顔が見えた。
それにプっ…と笑って、椅子に戻る晶螺。
キューティクルの綺麗な美夏の髪に触れ、やがて頬にその手が伸びる。
…が、彼はその手を触れる前に、何か思いとどまったように止め、膝の上で強く握り締めた。
『………美夏ねぇ…』
晶螺の消え入りそうな声が、部屋に響くけれど、
後に出た2文字の言葉は…
『…------だ…』
浜からの掛け声でかき消された…。
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