◆太陽のごとくあいつは◆
すると、隣の方で麻美の声がした。
可愛いほうの声が。
『明日らへんで一緒に海で泳がない??
ほら、大会始まると忙しくなっちゃうし。』
『ぇ、ぁぁ…』
が、無意識に美夏は二人の仲に割って入り、
『大丈夫よ、予選でおちればその日から心置きなく遊べるから♪』
しかも、嫌味っぽく。
『む……』
麻美が悔しそうな顔をした。
ぉっと…ヤバイヤバイ。
無意識のうちに…。
ほっとけばいいのにあたしってば。
だいたいこっちだって、
生意気な幼なじみにはうんざりしてたところなんだからさ、
若い女の子がお似合いじゃぁないの。
厄介払いができるし。
あたしももうすぐ19。
大人にならなくちゃ。
我に返り、頬杖をつきながら独り言…
晶螺はひたすら沈黙;
『ぁ、それはそうと、オネエサマ』
麻美が晶螺の向こう側からヒョイっと顔を出して話しかけてきた。
『?』