◆太陽のごとくあいつは◆



『わたし心配なんですよぉ。
万が一オネエサマだけが予選落ちなんてしたらって』


『む?』



『やる気をなくしたオネエサマが晶螺くんの足をひっぱるんじゃないかと…』



目配せしながら、"仕返し"を謀る麻美。


が、


『ご心配なく!こう見えてもう大人だもん。
子供を泣かせたりはしないわよ。』



負けじと言い返す美夏。




『でもお疲れになりませんのォ?
ほら、体力は18から低下するってよく言いますしィ』


麻美も負けない。



『そういえば!その目の下のクマ、15から低下しちゃうって人もいるらしいよ?』


美夏も負けない負けない。



『やぁだ、オネエサマったらじょーだんばっかし!
超ウケるんですけどォ!!笑』



笑い出す麻美。




『あなたほどじゃぁないけど?笑笑』



美夏も笑い出す。


もちろん両者とも目は笑っていない。




そして、晶螺は間に挟まれ、目の前を二人の不気味な笑い声が行き交う。


ただただ、


『はぁ~…もうヤメテ。』



無力にため息をつくのであった。



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