◆太陽のごとくあいつは◆



『だいいち、あの子の方が先に仕掛けてきたんじゃない。
あたしのせいじゃないし。
受けて立つのがマナーだと思うしね。』



晶螺はさっきの夕食の出来事から、美夏の胸元ばかりがチラホラと…



ぁ~っ!!!

どこ見てんだ俺、嫌われるぞ俺。


でも、実際黒く細身の美夏にその白いワンピースは似合っている、と素直に思った。




『そりゃ、確かに彼女わがままで気の強いとこはあるけどさ、
そう悪い子でもないよ』



彼は視線をずらして言った。



『…ふぅん、かばっちゃって。』



美夏が少し拗ねたような顔をして続けた。




『だいたい、あんたとどーいう関係だから
あたしにああやって敵意むきだしにすんのよ。』



『どういう関係って…----
言っただろ。去年の東京であったトーナメントで一回だけ試しに…ってペア組んだんだ。
それからコーチ同士も仲良かったからか、よくペア組んで試合でるようになって…
3,4回くらいかなぁ』



晶螺はケロンとした顔で言った。



『へ~ぇ。3,4回にしては随分ご執心だね。
あんな子がいるんだったら最初っから彼女と組めばよかったじゃない』




『その予定だったんだけどね』



『へ?』



『それがさ、出場申し込みの締め切り間近になって
むこうから断ってきたんだ。
どーも今日の様子だと本人は知らないみたいだけど。』



『ぅそぉ…』



『ほんと。
噂じゃぁ、彼女の両親がなんかやたらとすごいやり手のコーチをつけたみたいでさ。
その人が、"パートナーは引き立て役"って主義らしいよ。』



はぁ!?

き、聞き捨てならぬ!


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