◆太陽のごとくあいつは◆
『つまり、俺が言いたいのは、
美夏ねぇがあの子に目くじらたてることないってこと!』
投げつけられたものを拾いながら、
ソファーの美夏に向かって晶螺は主張した。
ふん。
そりゃまぁ…あたしもあたしでちょっと大人げなかったけど…。
いい性格になったわ、アキちゃん。
美夏が大きくため息をついて、ボフっと頭をソファーの背もたれに沈めた。
時計はすでに7時半を指していた。
その時…
『おじゃましまァす!!!
オコトバに甘えてみんなで遊びに来ましたァ!』
急にノックもなしにドアが開かれ、
麻美の元気すぎる声が部屋にこだました。
『『…ぇ。』』
二人の唖然とした間抜けな声が重なる。
あっという間に部屋の中に5人もの生徒が入ってくる。
何やらガヤガヤと部屋を探索している様子。
『ぁ、あのねぇ…あんたら---』
『ぁ、わたしこれオネエサマに手みやげ持ってきたんですよォ。
ほら、ヨーグルト!ブルガリアの本場ものですよっ』
『ぁ、ありがとう』
麻美が美夏に可愛い入れ物に入ったビンを渡してニコリと笑う。
対する美夏もニッコリと笑い返した。
ふぅん、かわいいところもあるんじゃん?彼女。
なぁんて、それは誤解なのです、美夏さん。