◆太陽のごとくあいつは◆
『"ねむの木"だって。変な名前』
『ねむの木は丁度今頃が満開なのよ』
美夏が口を開く。
『へぇ~、そうなんだァ♪
オネエサマ物知りィ』
『でもぃ~なぁ~綺麗!!
一枝欲しいなぁ~』
『だねー。』
『ぁ、じゃぁあたしもらってきてあげようか』
美夏は何を思ったのか、ニコリと自分を指差す。
『オネエサマすごい!!』
『勇気あるぅ!!』
ギャルたちの歓声を背中に受けながら美夏はビニールハウスへ入っていった。
外からも、何か話しているのが見える。
しばらくして、
『ぁ、戻ってきた。』
そして、ねむの木の前で立ち止まった美夏。
『…?花のところで何か考えてる…』
『どうしたのかな?』
すると次の瞬間、美夏は突発な行動にでた。
ねむの木の花が付いている部分の枝を、これまた豪快にバキっと折り、
全速力でみんなの方へ走ってくるなり、
『そら、逃げろーっ!!!!!』
みんなに向かって、その枝をポイっと落とした。