◆太陽のごとくあいつは◆



"横浜の生徒は浜へ来るように"と部屋にアナウンスがあったため、二人は浜へ向かった。


着いたときには、横浜の教室用の小屋の周りに人がガヤガヤしていた。




『どうしたんですか?コーチ』



美夏がコーチに尋ねた。



『ぁぁ、実は小屋の屋根に、風で飛んできた石かなんかで穴が開いちゃって…
もう古いからかなぁ。
ケガしたくないって誰も修理手伝ってくれないの』




やっぱりな…


この子や古いし暴風雨なんてあったら何か起こると思ってたよ。


晶螺は頭をポリポリかきながら、小屋の屋根を見上げた。


ここは美夏ねぇに男を見せなければ!




『じゃぁ、男の俺がやりまs…』



自信満々でそう言い終える前に、横から元気な声が。



『ぁっ!!
じゃぁあたしやります♪高いとこ得意なんで』




美夏ねぇ…どんだけKY…


晶螺はその瞬間一気に意気消沈モード。




『ホント!?
ありがとう♪じゃぁお願いね。これ、ハシゴ!と、その他の道具。
ハシゴは菅野くんにでも支えててもらったほうがいいよ』



『はぁい』




美夏はハシゴをしっかりと立てかけ、屋根に登り始めた。



『ぅわっ、まさかあれ美夏!?』



『キャーっ、美夏ちゃんケガしたらどーすんのー!?』



『横浜教室のエースが!!!』



下でガヤガヤと同じ教室の女子の声がする。





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