◆太陽のごとくあいつは◆
『気をつけろよ、美夏ねぇ!!』
晶螺の心配そうな声も聞こえてきた。
『大丈夫だってば!!
とりあえず、ちゃんと支えといてよね、ハシゴ!!』
…とは言ったものの……
ハシゴの段も雨水でスベるなぁ。
ようやく屋根に登り、
『ここかぁ…また盛大に穴が…』
小屋の周りに、トントン、カンカンという音が響く。
『…落ちんなよ、美夏ねぇ…』
心配性の晶螺はずっとそればかり呟いていた。
……トントン、カンカン……
『…よし、これでだいたい大丈夫かな!!』
修理を大まかに終えた美夏が、屋根から降りようとしたその時、
ゴォォォォっ…
と、不気味な音を立てて、暴風が吹いた。
『キャっ!!!!!』
目に砂が入り、暴風で体がグラついた美夏は…
小屋の高い屋根から
転げ落ちた。
『…!!!美夏ねぇ!!!!!!』
みんなのざわめきと悲鳴と、それからハッキリと晶螺の叫ぶ声が耳に入った。