◆太陽のごとくあいつは◆
落下中、あまりにも一瞬で、砂で目もかすんでよく見えなかったが、
多分、あれは…下で大きく腕を広げていたのは
晶螺だった。
バスっ!!!
鈍い音とともに、美夏は、浜にせり出したコンクリートの上ではなく、
晶螺の腕の中に納まっていた。
周りが余計にざわめいた。
『ぁ…ぁぶな、かっ、た…』
美夏は怖くて声が震え、言葉が途切れ途切れになった。
『は、ょ、ょかったぁ~…』
晶螺は美夏を抱えたまま、ペタンとその場に座り込んだ。
とりあえず安心したらしい。
『どうしたのっ!!!?』
血相を変えてコーチが戻ってきた。
『美夏ちゃんが落ちそうになっちゃったんですぅ』
『怖かったょぉ』
みんな口を揃えてザワザワと事情を話す。
『美夏ちゃん!!大丈夫なの!?』
やがて、美夏と晶螺のもとにコーチが歩み寄る。
『ぁ、はい……アキちゃん、が、助けてくれたんで』
『そのようね…。ごめん、美夏ちゃん。
なんだったら今日無理しなくても…』
『ぁ、それは全然大丈夫です。
ケガもないし……屋根も一応は直りましたよ』
『ありがとう…菅野くんもね』