◆太陽のごとくあいつは◆
『………ぇ、ぇぇっと…
アキちゃん、降ろせ、いい加減』
美夏は二人の沈黙を破った。
『…ぁっ、ごめんごめん』
『でも、ありがと。』
『…ぅん。』
晶螺は美夏からの"ありがと"が嬉しくて、微笑んだ。
が、次の晶螺の一言で二人の平穏な雰囲気は一転…
彼は美夏を抱えていた自分の手を見つめながら、独り言のように
『美夏ねぇ なんだか小さくなったなぁ…
腰も肩もおしりも、さ』
が、美夏にはきちんと聞こえていた。
彼は続ける。
『思わず、こう……ギュっと力を入れてしまいそうで…
細くてやわらかくて、なんか抱き心地いい…』
キョトンとした顔で手を見つめる晶螺の頬に、
次の瞬間美夏は思いっきりビンタをかましていた。
『~っ!!俺何か悪いこと言った~…?』
『うるさい、アキ坊!!』
顔を真っ赤にして美夏はそっぽを向いてしまった。
はぁ…
ヤバィよぉ、これは。
カナリ形勢不利じゃん…?
ここで負けたら、あたしいったい…
美夏は心中思った。