◆太陽のごとくあいつは◆
美夏は不意に麻美の声の的に目をやる。
そこには…
見覚えのある人物。
忘れたかった思い出の中の人物であった。
『バカ。
何喜んでるんだ。
4番じゃすぐ一日目じゃないか』
『だってぇ~』
間違いなかった。
友枝修二。
2年前、美夏が初恋をあきらめた相手だった。
『ぁ…。』
ふと、横から声がして、我に返った。
『どうしたの?美夏ねぇ。』
晶螺だ。
『ぁ、ぅぅん。なんでもない。
席戻ろ。』
その声が耳に入ったのか、"美夏"という名前を覚えていたのか…
友枝の視線は席のほうへ振り返った美夏の背中へ向いていた。
『………。』
友枝もまた、2年ぶりの再会に驚いた様子だった。