◆太陽のごとくあいつは◆
晶螺は足が長いから歩くのも早い。
追いつけなくなって麻美は、彼の背中に向かって叫んだ。
『晶螺くんが何を気にするの!?
おかしいよ!あの人ただの幼なじみなんじゃないの!??』
それでも晶螺は構わず更衣室へ向かった。
ドタドタ…
勢いよく階段を登り、荒々しく部屋のドアを開けると、鏡の前に美夏がいた。
ジーンズのミニスカートに黒いレギンスを履いて、トップスも可愛く決めて、
マスカラを片手にこっちを振り向いた。
一瞬晶螺は胸が跳ね上がる気持ちになった。
その服が美夏にあまりに似合っていたからかもしれない。
『どうしたの?泳いでたんじゃなかったの?』
『……どっか行くの?』
乱れた息を整えながら晶螺は尋ねた。
『食事に誘われたの!友枝さんに。
こっから10㌔ぐらいのところに、おいしいお店があるんだって。
『……美夏ねぇ、あいつのこと…好きなのか?』
『そ、そんなことあんたには関係ないでしょ』
美夏は明らかに動揺したようだった。
そんな美夏の様子に晶螺は図星だと察して、後ろのドアに鍵をかけた。