◆太陽のごとくあいつは◆



唇が離れたと思ったら、晶螺は美夏の首筋にキスを落とし始めた。



『ぁっ…』




もうだめか…


そう美夏があきらめかけたその時、






ドンドンドン!!




大きな音を立ててドアがノックされた。



それと同時に、美夏の友達・裕香の声がする。



『美夏ぁ!?
どーしたの、鍵なんかかけちゃって!

おかっしいな、いるはずなんだけど…』



晶螺はドアを開けた。


不機嫌MAXな顔で。




ドアの前には友枝もいた。

ふと目が合うと、晶螺は思いっきり彼を睨んだ。




が、その間を裕香がズカズカと通り、


『美夏!!
いるんだったら返事くらいしてよぉ!

何やってんの、ほら!お待たせしちゃダメでしょーが』



美夏の腕を引っ張って、ドアの外の友枝に向かって背中を押した。



『ぁ…じ、じゃぁ行ってきます…』



『行ってらっしゃい』



晶螺はパシっと美夏の手首を掴んで阻止したが、それも裕香に阻止された。



『さぁさ、晶螺ちゃんはお姉ちゃんの邪魔しちゃいけませんよー。
ウチとドラクエでもやろうねー。

じゃ、行ってらっしゃい』




『……っ』


くっそ~!!

あんなやつのどこがいいんだよ美夏ねぇ!!!



晶螺はしばらくドアを睨み続けていた。




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