◆太陽のごとくあいつは◆



一方、辺りが暗くなってきた砂浜では、小屋付近で壮大なパーティが開かれていた。



コーチたちも両教室の生徒たちも集まって、1次予選通過者への祝福の宴らしい。


もちろん、美夏も晶螺とペアで通過したのだから、来なければならないのだが…

ただいま、ラブシーン中でして…




晶螺は周りから"おめでとう"などの言葉が飛んでくる中、パーティなんかそっちのけで苛立っていた。


美夏ねぇ、なんで来ないんだょぉ~!



『ね~ぇ、晶螺くん!
随分遅いねぇ、あのお二人さん♪
こんな時間までなァにやってんのかなぁ~?』



麻美が嫌みったらしく麦茶を片手に言った。


くっそぉ~…

晶螺はますますイライラモード。





すると、バタバタと美夏が現れた。


『ごめーん!おそくなっちゃっ…』



ラブシーンの後でご機嫌な美夏は満面の笑みで走ってきたが、言葉を遮られた。



『おそい!!!!
稽古には遅れてもこのパーティには遅れるなって言っただろ!!
あと5分でコーチたちからの言葉があるんだぞ!
パートナーがいませんなんて言ったら、せっかく通過したのに顔つぶれちまうよ!!』



晶螺はとりあえず頭に浮かんだものをベラベラ。



負けじと美夏も反発。



『だーかーらっ!!!!
いいじゃん、あと5分あるんだからっ!!間に合ってんでしょ!?』




すると急に横から麻美が、


『ぁ、オネエサマったらキスマークついてる』


なんて言うもんだから、美夏は慌てて、


『ぇぇっ!!!?うそ、どこどこっ!?』



なんて反応していまったが、(あ、しまった、つい…)と思い晶螺を見る。



ご名答。


ちょー、不機嫌な顔してました。




…くっそぉ、やっぱり美夏ねぇ、あいつとキスしたのかっ!!!



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