◆太陽のごとくあいつは◆



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次の日…




『ハッ…ハッ、ハックショーィ!!』




窓から入ってくる朝日、鳥のさえずり、それから…


美夏のくしゃみと鼻をかむ音。




『ほーら、ソファーなんかで寝るからよ!
昼間は暑くても、寝てるときは体温下がるんだから!!』




裕香が体温計を見てため息をついて言った。



晶螺も部屋にきていて、腰に手を当てて偉そうに言い放った。



『毎日夜遊びなんかしてるからだよ!
試合では体調管理が一番大事なのに、どーかしてるよ美夏ねぇ』



『何言ってんの!元はといえばあんたのせいじゃないこうなったのは!』


美夏が枕を抱えて晶螺を睨んだ。



『ちょっと二人ともいい加減にしなよ!!
パートナー同士信じあわなきゃってもんでしょぉ!?
こんなんじゃ2次予選落ちるわよ、あんたたち!』



裕香が割って入ったが、険悪モードはまだオンの状態。


『ックション!!!』



美夏の鼻をかむ音が部屋に響いていた。






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練習…


『ぁれ、菅野くん、今日美夏ちゃんは?』



コーチが一人の菅野に気づき、声をかけてきた。



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