◆太陽のごとくあいつは◆
麻美は、高い声で続けた。
『ぁ、そーいえば晶螺くん2次は年下のペア相手ばっかなんでしょ?』
『ぅん。まぁ年下っつっても1つや2つっしょ』
『ふぅん♪お互い勝ち残ったら次ついに決勝戦かぁ!
頑張ろーねぇ』
『ぅん。
ぁ、そーだ麻美ちゃん午前は先生の特別レッスン受けてるんだって?
どーなの?』
不意にその話題を持ち込んだ晶螺。
が、麻美はまんざらでもないようすで、
『あれぇ!知ってたのぉ?♪
そーなの! 教え方っていうか注意するポイントとか、もうそういうとこからして教室のコーチたちとは全然違うのぉ!!!』
『へぇ。』
『でねでね!?
2次は強いのが残ったから、急遽アメリカの先生にもついてもらったし。
その人ねぇ、ちょっと審判さんやコーチたちと深いお知り合いなの。』
『!?』
どういうことだ、それ……
そいつの動きによっては審判やコーチを前面味方につけたようなもんじゃないか!
エキサイトしすぎて自分が今何を口走ってしまったのか、麻美は晶螺の顔を見て気づき、
慌てて口を噤んだ。
『あっ…と。これは先生に口止めされてたんだったぁ…』
麻美はなぜかだかフフッと笑って続けた。
『友枝先生ってさぁ、"そういうこと"とか超わりきって行動しちゃうの。
変に後ろめたさなんて感じないみたいょぉ?
とにかく何でも事務的に処理しちゃうの。怖くなっちゃうぐらいに』