◆太陽のごとくあいつは◆



『熱、どうなの?』



友枝は話を切り替えた。



『もう大丈夫…薬も飲んだし。明日の2次には…』



友枝の顔が降りてきた。



『…なんとか、熱下がり、そう…』



友枝が美夏の額に優しくキスをした。




友枝さん……---------


やっぱりあたし……知りたい。


なんであなたが千佳と別れることになったのか…。











************


翌日…2次予選が始まった。




美夏と晶螺は1日目。

微熱も下がり、体調が回復した美夏ははりきって試合に臨んだ。




『第一試合、友枝・足尾ペア対、田辺・菊池ペア!』



田辺・菊池ペアとは、パーティで一番目にコーチの前に立ったあの男女ペア。

田辺篤(アツシ)と菊池涼子で成る、実力派ペアだ。



そんな二人と、友枝・麻美ペアは2次予選一日目第一で戦うことになった。


美夏たちも3番目なので、もうウェアを来て裏でストレッチをしたり練習をしたりしている。



コートに立った田辺には、なぜか1次予選で見せたしゃんとした態度が見えなくなっていた。



足がすくみ、息も少し乱れ、変な汗をかいている。


パートナーである菊池は振り返って、


『篤?どうかしたの…?』


と心配そうな顔でたずねた。


でも、田辺は



『ぁ…ぅぅん。なんでもないょ』


と汗を拭って答えた。




そして甲高い笛の音と共に試合は始まった。




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