◆太陽のごとくあいつは◆



『ぇ、何、何が起きたの!?』



『あっちのペア、男の方いなくなぁぃ!?』




『ぉい、どこ行ったんだよ』





残った観客たちや、観戦していた生徒やコーチたちまでただ状況を飲み込めないまま、



田辺・菊池ペアは棄権扱いとなってしまった。








『な…なんでこんなことに…』




泣いている菊池を遠くから眺めながら、そうつぶやいた。



すると後ろから晶螺が、




『美夏ねぇ。
やっぱあいつおかしいよ、---友枝ってやつ。

どーもあいつが何かからんでるような気がするんだけど。』




それを聞いて美夏は当然黙っていなかった。




『なっ…ちょっと晶螺!!!』




美夏が晶螺のことを"アキちゃん"でなく "晶螺"と呼ぶときには、ほっておいてほしいか、怒っているか、ということだ。


美夏は続けた。




『何てこと言うのよ!!いい加減なこと言わないで!!』




『いい加減じゃない!俺にはわかるんだよ!
あいつには絶対何かあるよ!!』



『あのねぇ、あんたいい加減に…』



『うるっさぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!!!』




割って入ってきたのは裕香だ。

もちろん横にはパートナーが。



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