天国に近い場所
ガチャ


ドアを開けると、龍美はベットに寝転がり、雑誌を読んでいた。




「今から化粧するから、傷見せに来たよ」

「見せてみ」


龍美は私に、手招きをする。


私は小走りで龍美に近付き、龍美に傷を見せる。





「見えねえな。もっとこっち来て」

「こう?」

「もっとこっち‥」

「…こう?」

「もっともっと」


気が付くと、私と龍美はありえないくらい近い距離にいた。





「ちょっと、嘘つかないでよっ!見えないなんて嘘でしょ!」

「嘘じゃねえし…」


龍美は力ない声を出して、口を尖らせた。
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