天国に近い場所
リビングではソファーに、じんべえを着た健太郎くんが座っていて、龍美はキッチンでビールを飲んでいた。





「おなご遅せえぞ」


龍美はビールを片手に、キッチンで小言を言っている。





「どれどれ…志乃の浴衣はどんな感じだ?」


龍美はキッチンから出て来て、階段の下にいる私を覗き込んだ。





「み、見なくていいから」


初めて見せる浴衣姿に、少し緊張気味の私‥





「・・・・」


龍美は私の浴衣姿を見ると、なぜだか何も言わない。





似合ってないかな?

これ可愛いと思って選んだんだけど。



私が着ている浴衣は、紫の浴衣で蝶々の模様がついている。
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