天国に近い場所
「そんなっ…」

「嘘でしょ・・」


私と夏莉は、さっきからずっと涙が止まらない。

私は何度も手で涙を拭いていた。


龍美が後ろから、私の背中を優しく摩ってくれている…




「健太郎にわ寝る前に『明日どこか行きたい所あるか?』って聞いたら、『海に行きたい』って言ってた。だから明日は、みんなで健太郎と海に行こう…」


そう言って正樹さんは、泣いている夏莉をそっと抱きしめた‥





「ああ。健太郎のためなら、海だろーがなんだって行ってやるよ」


龍美はいつもよりもずっと低い声で、そう言った。
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