天国に近い場所
翌日


私たちは、約束通り海にやってきた。

海は楽しい場所なのに、私の心は暗くて楽しめていないでいた。





「りゅうび!まさき!早く海に入ろうよっ♪」

「おう!」

「あ、ちょっと待って!りゅうび、コレ外して!」


健太郎くんは、龍美に腕を差し出している。





「ああ、ちょっと待ってろ」


龍美は昨日、私たちがプレゼントした腕時計を健太郎くんの腕から外し、健太郎くんに手渡した。





「はいよ」

「ありがとう♪しのおねぇちゃん、コレ持ってて」

「あ、うん…」


私が健太郎くんから腕時計を受け取ると、健太郎くんは龍美と正樹さんに手を引かれ、海に入って行った…
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