天国に近い場所
「大丈夫だってば♪ただ…たまには、一人になりたい日だってあんのよ。心配しないで」
そう言って夏莉は、私にウインクをした。
「そっか。ならいいけど…何かあったらなんでも言ってね」
「サンキュー♪じゃ、おやすみ〜ん」
夏莉は階段をのぼって、2階の部屋に入って行った。
夏莉の後ろ姿をぼんやりと見つめていたら…心配な気持ちが、大きくなるばかりだった。
夏莉‥
大丈夫かな…
心の奥底でポッと芽生えた真っ黒い“不安”‥
こんなこと、勘違いであってほしかった…
だけどその“不安”は、この夜現実となってしまった……