天国に近い場所
「じゃ、じゃあ私……」

「ええ。龍美が待っている世界に、早く行ってあげて下さい。私はこの力をむやみに使ってしまったので、天国にいる神に説教される前に、自分から弁解に行こうと思います、ハハ‥」


そう言って、辰夫おじいちゃんは杖をつきながら、私に背を向け歩き出した。





「辰夫おじいちゃん!」


私は辰夫おじいちゃんを、呼び止める。






「・・・?」


辰夫おじいちゃんが、ゆっくりと振り返る。






「あ、ありがとうございます!えっ…と・・ごめんなさい!突然のことで、うまく言えなくて…」


私は辰夫おじいちゃんに、深く頭を下げた。
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