天国に近い場所
夏莉はリビングの奥の角に置かれている、仏壇を見て言った。





「ああ。お父さんとお母さんの仏壇だよ。私が小さい時、事故で死んじゃったんだ…今はお姉ちゃんと二人きりなの‥‥」

「‥そうだったんだ…初めて聞いたよ、そんな話‥」


夏莉は、少しびっくりしたように言う。





「そーいえば、言ってなかったよね。あっちの世界は楽しすぎて、そんなことも忘れてたよ」


私は、夏莉にアイスティーを入れたグラスを差し出した。





「アハハ、確かに。あっちの世界と現実は違い過ぎだよね〜。あたしなんて、買い物行くと財布の存在忘れて‥万引きしちゃいそうになるよ〜」
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