天国に近い場所
「ああ、そう………昨日偶然に駅前で会ったんだ。……うん。志乃も俺も、ちゃんと別れたよ‥……うん……」


私はソファーでタバコを吸いながら誰かと話している龍美に、そっと近寄る。

すると‥



ペシ


「いた」


龍美は私のおでこにデコピンをして、ニコッと笑った。

おでこを摩りながら、龍美の隣に腰をおろす私。




「うん……志乃ん家の近くだよ……だろ?……うん、わかった待ってるよ!…じゃあな」


龍美は私の携帯を耳から離し、通話ボタンを消した。




「電話‥誰から?」

「夏莉」
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