天国に近い場所
一時間後



「志乃――(泣)」


夏莉と正樹さんが、龍美の家にやって来た。

龍美が玄関を開けるなり、夏莉は龍美をスルーして、いきなり私に抱き着いて来る。




「志乃、よかったね(涙)龍美に会えて……本当によかったね」

「‥うん、心配かけてごめんね……」

「いいのよ〜そんなの〜〜」


私は、夏莉の胸で泣きそうになっていた。




「オイオイ、夏莉(汗)俺に会えての感動はねぇのかよ」

「あら♪あたしに抱きしめてほしかった?」

「…遠慮しとく」


龍美は夏莉に、プイと背を向けた。
< 513 / 787 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop