天国に近い場所
「あーすっきりした♪龍美。なんなら、あいつらのことぶん殴っちゃえばよかったのに〜」


後部座席に座る夏莉が、運転している龍美に鏡でメイクを直しながら言う。




「ハハ。そんなことしねえよ」

「え?なんで??」


夏莉が後部座席から、龍美の顔を覗き込む。







「大人だからー」


龍美はそう言ってタバコに火を付けた‥


ハンドルを握る龍美の左手の薬指に、私と同じ指輪が光っている‥

私はその指輪をドキドキしながら見ていたら‥龍美の左手が急に動き、その手を目で追うと…





「!」
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