天国に近い場所



私は少し迷ったあと、愛さんにコクリと頷いた。



愛さんは私にニコッと微笑んだあと、お姉ちゃんに手を引かれ亮ちゃんと病室を出て行った‥






「志乃、大丈夫‥?」


夏莉が私に近寄り、心配そうに顔を覗き込んでいる。




「うん‥平気っ」


私は夏莉に笑顔を向けた。





「しっかし…助かって本当によかったよ。お前が『心肺停止』とか言われた時、俺まで心臓止まったぜ‥」


正樹さんが椅子に腰掛け、ホッとしたように龍美言った。




「みろよ俺の“生命力”を。日頃の俺の行いがいいから、神様が助けてくれたんだ」
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