天国に近い場所
「有紀は妹に甘いな~」

「なんか文句ある?」

「いえ、ぜんぜーん」


睨みつけるお姉ちゃんに、亮ちゃんが怯えている。





「やったね。じゃあ俺、今日はいい子に寝てよ」


龍美が布団をかぶる。




「龍美。じゃあ、明日また来るから…」

「うん。なるべく早く来て」



私はニコッと笑う龍美の姿を見て、安心して病室を出ようとした‥

すると…





ガシッ




「!!」



龍美が私の手を掴む。


振り返り龍美を見つめると、龍美は少し淋しそうな顔をしていた。
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