天国に近い場所
「出かけるって、ひとりで?どこ行くの?」


ピクッ‥

正樹さんナイス!




「ん……ちょっと」


龍美はそう言って玄関で、スニーカーを履き出す。




ちょっとって…どこよ‥

何で言ってくれないんだろう・・


私はスニーカーを履く龍美の元へ、とぼとぼと近寄った。





「気をつけてね」


本当は龍美に、出かけてほしくなんかないくせに…

ついいい女を演じてしまう。


だったら‥

『どこに行くの?』って聞けばいいのに………


でも私が聞いたって、龍美から

『ちょっとね‥』

っていう言葉が返って来るのはわかっていた。
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